使いこなしガイド

■ブースト圧設定
M7960
1.6㎏/cm²(22.8psi) ブーストコントローラー使用
M8270

ブースト1.6kでM7960は400ps、M8270は450psオーバーの出力を出すことが可能なタービンです。ノーマルエンジンの場合、ガスケット抜けやエンジン強度に不安が有るため、最低でもメタルタイプのガスケットに変更することをお薦めします。ノーマルエンジンの場合、約330psが限界の目安となります。その際、設定ブーストは1.0~1.1㎏/cm²(14.2~15.6psi)位です。ガスケットを交換することで上限を1.3㎏/cm²(18.49psi)、鍛造ピストン交換で1.5~1.6㎏/cm²(21.3~22.8psi)まで設定可能になりますが、お車の状態によって変わりますのでご注意下さい。ブースト設定する際は、4・5速のギヤで行ってください。低いギヤで設定すると、高いギヤでは負荷が大きくなるため設定値以上のブーストがかかってしまいます。(設定した際、ピークブーストから回転が上がるにつれてブーストが下がる場合がありますが、異常ではありません。)
 
■アクチュエーター設定
M7960
必要なし [ 出荷時設定圧0.9㎏/cm² 12.8psi)]
M8270

基本的にアクチュエーターは販売時の状態から変更する必要はありませんが、高負荷時のブーストをより安定させるためなど、ブーストコントローラーの設定と併用して、アクチュエーターを調整することでよりブーストを安定させ、フィーリングを変えることができます。アクチュエーターの調整は、ブーストコントローラーの補助として行うことをお薦めします。
 
■想定馬力
M7960
400~420ps
M8270
430~450ps

ノーマルエンジンの場合、ガスケット抜けやエンジン強度に不安があるため、約330psがノーマルエンジンでの限界の目安となります。その際、設定ブーストは1.0~1.1㎏/cm²(14.2~15.6psi)くらいです。ガスケットを交換することで上限を1.3㎏/cm²(18.49psi)、鍛造ピストン交換で1.5~1.6㎏/cm²(21.3~22.8psi)まで可能になります。
 
■ピストン
M7960
鍛造ピストン  推奨:TOMEI鍛造ピストンキット
M8270

SR20DETのノーマルピストンは強度に不安があるため、約330psが限界の目安となります。M7960、M8270の設定ブーストである1.6kg/cm²といった高ブーストで使用する場合、燃焼圧力も高くなり、ノーマルピストンのままでは、いわる“棚落ち”と呼ばれる状態になる可能性があります。{使用状況等によっても違いますが、ブースト1.3㎏/cm² (18.49psi)をノーマルピストンでかけた場合、エンジンの寿命が1年程度という例もあります}高ブーストをかける場合は、ヘッドガスケットと合わせて鍛造ピストンに変更する事をお薦めします。
 
■ヘッドガスケット
M7960
メタルタイプへ変更
推奨:TOMEIメタルヘッドガスケット
M8270

ブーストを上げると、燃焼圧力も高くなります。その場合、ノーマルヘッドガスケットのままだと、いわゆるガスケット抜けを起こす可能性があります。メタルタイプに変更することでシール性能を高める事ができます。機種、かけるブーストによってガスケット厚を変更し、圧縮比調整を行います。
 
■インジェクター容量
M7960
680cc以上  推奨:TOMEI 740cc
M8270

目標馬力×5.9÷気筒数=1気筒あたりが必要とする毎分吐出量
安定した霧化状態を確保するために、インジェクター容量の80~90%で使用するのが理想となります。
 
■燃料ポンプ容量
M7960
182L/h以上(燃圧3kg/cm²時)
推奨:TOMEI 248L/h(燃圧3kg/cm²時)
M8270

インジェクター容量×気筒数×0.06=必用とする毎時吐出量(フューエルポンプ容量)
ポンプの追従性を考慮し、80~90%位で使用できるように選択してください。
 
■燃料レギュレーター
M7960
調整式に変更が必要  推奨:TOMEI type-S
M8270

燃料ポンプの変更に伴い、燃圧の調整が必用です。
イニシャル燃圧は、大気圧で3kg/cm²に設定します。
■エアクリーナー
M7960
高効率タイプ
M8270

エアフロメーターを活かす場合は、純正交換タイプをお薦めします。
 
■エアフロ
M7960
Z32純正品、もしくはエアフロレス
推奨:TOMEIエアフロ変換キット、TOMEIエアフロレスインテークキット
M8270

純正エアフロは内径が小さく、計測容量が不足してしまいます。Z32純正エアフロへ変更してください。450psを越えてくると、Z32エアフロでも計測容量ギリギリになってきます。その際は、REYTEC等を活用し、エアフロレスにする事をお薦めします。
■サクションパイプ
M7960
高効率タイプ
M8270

高ブーストをかけた場合、純正サクションでは変形などが起こる場合があります。
これを交換することで吸入効率を良くすることができます。
 
■インタークーラー
M7960
大容量高効率タイプ
M8270

タービンで加圧された空気は、圧縮されてエンジンへと送り込まれます、その際、圧縮された空気は熱を持ち膨張してしまいます。そうするとせっかく過給された空気密度も下がり、燃焼効率が悪くなり本来の性能が出せません。そこで、タービンとエンジンの間にインタークーラーを設け、圧縮された空気を通し、インタークーラーに走行風を当てることで、熱を奪うシステムです。こうすることで、密度の高い圧縮空気をエンジンへ送り込む事が可能になり、燃焼効率が向上され本来の性能を得ることが可能となります。
 
■ブローオフバルブ
M7960
大気解放不可 S14/15純正リサキュレーションバルブ インテークリリーフ機能の適正化実施
M8270

ブローオフバルブを大気解放にした場合、タービンに対しては再循環した場合と同様の働きがありますが、アクセル全開から全閉にした場合、全閉にもかかわらず、大気解放された事によりエアフロメーターには全開時と同じ量の空気が流れてしまいます。そうすると、実際にエンジンに吸入されている空気量より多い空気分の燃料が噴射されるため、濃くなり過ぎてエンストしてしまいます。エアフロメーターは吸入空気量を計測し、ECUに信号をおくり、ECUはこれに見合った燃料の噴射をインジェクターに指示します。上記のことからもわかるように、ブローオフバルブはエンジン制御システムの一つですので、誤った使い方をしないようにご注意ください。

※S14/15に装着されているリサキュレーションバルブにはインテークリリーフ機能が設定されています。これは過給圧が以上に上がったときに、インテーク側で吸入空気を逃がす安全装置としての機能で、構造上、過給圧が0.1~0.4kg/cm²程度でリリーフを開始してしまいます。取説に従い、この機能を排除する事で、タービン本来の性能が発揮できます。
 
■エキゾーストマニホールド
M7960
M8270

カムシャフトを交換して得た排気圧力を、より効率良くタービンホイールに当ててやるために、エキマニを効率の良い物に交換します。こうすることで、大きい排気圧力をスムーズにタービンホイール当てることができ、さらにブーストの立ち上がりが鋭くなります。
■タービンアウトレット
M7960
M8270

ノーマルのアウトレットのままでは、多く入ってきた排気ガスを抜ききることができません。特に、高回転、高ブーストでは、排気が詰まってしまい、結果的に排気ガスがタービンを上手く流れる事ができずブーストが安定しなくなります。そこで、アウトレットを大口径の物に交換することで、送り込まれた排気ガスをしっかり抜くことが可能になり、ブーストが安定するだけでなく、スムースに排気が流れるので、ブーストのピックアップが良くなります。
■フロントパイプ
M7960
推奨:メインパイプ径 Φ80相当
M8270

アウトレット同様、排気の流れをスムースにする事で、ピックアップ、伸びともに良くなります。
 
■触媒
M7960
推奨:メタル触媒
M8270

浄化能力を確保した、メタル触媒に交換することで排気抵抗を低減することができます。
 
■マフラー
M7960
推奨:メインパイプ径 Φ80相当
M8270

アウトレット同様、排気の流れをスムースにする事で、ピックアップ、伸びともに良くなります。
 
■コンピューター
M7960
要現車合わせ
M8270

お車の状況に合わせて、必ずコンピューターリセッティングを行ってください。
 
■プラグ
M7960
必要  8~9番相当に変更してください
M8270

馬力が上がった場合、それに伴い燃焼温度が高くなります。純正の熱価のままでは、プラグが溶けてしまうなどのトラブルにつながります。プラグの焼け具合によって判断しますが、8番、9番相当のプラグに交換することをお薦めします。
 
 

 

過給圧に関してのご注意
本製品は鍛造ピストンを使用し、ブースト1.5~1.6㎏/cm²で使用することを前提に性能設定された高性能ターボチャージャーです。
そのため、ブーストの制御はブーストコントローラーを使用することを前提に、アクチュエーターの初期設定は0.9㎏/cm²としていますが、大容量インタークーラーや吸排気系等の装着パーツやエンジン本体の個体差により、この設定ブーストを超えてしまう場合があります。
その設定ブーストを超えてしまうエンジンをノーマルのままでこのターボチャージャーを使用する場合、メタルガスケットや鍛造ピストンでのエンジンの強度対策が必要です。
もし、エンジンの強度対策ができない場合は、ブーストを1.0~1.1㎏/cm²に抑える必要があります。
そのためには触媒・マフラー・エキゾーストマニホールド・タービンアウトレットパイプなどの排気系パーツを高効率タイプから純正相当のものに変えてブーストを抑制していただく必要があります。
 

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